親指に奇妙な穴があることに気付き、ピーターは大慌て!原因が何なのか、それが命にかかわるものなのか、見当もつきません。ですが、彼はその答えをすぐに知ることになります。その日の午後に病院に行ったのですが、医師が指を一目見たとき、ピーターにとって良い知らせはありませんでした。
ピーターを診断した医師は、すぐに警察を呼んだのです・・・
ピーターは何も説明されずに帰らなければなりませんでした。医師はいくつか検査をしたのですが、その結果を見たとたん、警察に通報するために病室を走り出てしまったのです。病室に取り残されたピーターは事の重大さに気付き、慌て始めました。
病室を出ようとしたピーターは、外から鍵をかけられたことを知り、パニックになってしまいました。ドアをドンドン叩き、力任せに押し破ろうとします。何度か試すと、ようやくドアが開きました。すると、ピーターを閉じ込めた医師が目の前に立っているではありませんか・・・
医師は自分の発見をピーターに説明しないわけにはいきませんでした。ピーターは医師の診断を聞くと、床に倒れこんでしまいました・・・
では、医者は何を発見したのでしょうか?ピーターの指に開いた穴の正体は?そして、警察沙汰になった理由は何だったのでしょう?
ピーターが目を覚ましたとき、いつもと変わったことは何もありませんでした。普段と変わらない平凡な朝のように思えました。ベッドから起きて、コーヒーを淹れるためにキッチンへと足を運びます。コーヒーを入れている間も彼は何も異変に気付きません。気付いたのはコーヒーをカップに注ごうとしたときでした。ピーターはあまりにもビックリして、思わず悲鳴を上げそうになります・・・
ピーターは40歳の独身男性。過去にデートをしたことがありますが、恋が実ったことはありません。「今度こそ!」と張り切っていた彼は、今回のデートのためにかなり時間をかけて準備していました。相手の女性と会うのは今回が初めてで、うまくいくことを心から望んでいましたが、すべてうまくはいきませんでした。
ピーターはネット上でその女性と知り合い、「うまくいく可能性は低いだろうな」と思っていましたが、とりあえず会ってみることにしました。結局、デートは大して特別なものではなく、彼女は彼にあまり興味がなさそうです。彼も、彼女にもう一度会いたいか心は決まっていませんでした。翌朝になると、「やっぱり2回目のデートはしたくない」と思いました。とても奇妙な状況だったからです。何が起こっているのかもわからないのに、彼女を巻き込みたくはありません。
デートの翌朝、ピーターは自分の親指がおかしいことに気付きます。チクチク痛むのです。よく見ると、親指の痛みの原因は明らかでした。その異様な光景を見て、ピーターはゾッとします。彼に何が起こっているのでしょうか?
ピーターの親指には、小さな穴がびっしり。「親指に何かくっついたのか」と思いましたが、よく見ると、皮膚に穴が開いているのが見えます。ほかの指で押してみると、痛みは悪化してしまいました。何かがおかしいのは明らかです。
ピーターは少し考えました。もしかしたら、虫に噛まれたのか、寄生虫に感染したのかもしれません。それとも、夜中に親指に虫がくっついたのでしょうか?しかし、このようなことをする寄生虫は見たことがありません。ピーターはネットで調べ、「こんなことをする寄生虫はいない」という結論に至りました。もっとひどいものであるに違いありません。
親指を見れば見るほど、ピーターはますます困惑してしまいました。ただの小さな穴ではなく、穴の中に何かがいるのです。何なのか分かりませんが、何かが穴の中に入っていることは確かでした。穴は硬く、中に入っているものも硬いようです。どうにかしなければなりません。ピーターはアイデアを思い付きました。
ピーターは、ピンセットを使って親指の中に隠れているものをほじくり出そうと考えます。洗面所に行ってピンセットを取り出しました。しかし、親指を見つめて彼はちゅうちょします。「原因が分からないのに、ピンセットでいじったら悪化するかもしれない」と思ったのです。とは言っても、放っておくわけにはいきません。
ピーターは病院が苦手でした。自分で何とかするほうが好きなのです。よっぽどのことがない限り、病院に行くことはめったにありません。とは言え、今回は自分で何とかできるようなことではありませんから、医者に行かないわけにはいきませんでした。そこで、ピーターは思い切って病院に電話をかけます。
その日の午後に準緊急の予約を入れることができました。病院の人は、「あなたの前に診なければならない患者さんが何人かいますが、今日中に必ず診察します」と言ってくれました。待っている間、医師は「あることをしていただけますか?」とピーターに言いました。
医者はピーターに、「この症状が出る原因になるようなことは最近しませんでしたか?いつもと違うことをしなかったか、考えておいてください」と言いました。少しでも違うことをしたのであれば教えて欲しいというのです。診断の役に立つかもしれません。ピーターは「分かりました、考えておきます」と言い、電話を切りました。原因は一体何でしょうか?ピーターはさっぱり分かりませんでした。
ピーターはこの1週間を振り返ってみました。いつもとそれほど違うことは思い当たりません。数日前に森でハイキングしましたが、もしかすると、触っていけないものを触れてしまったのかもしれません。キノコ?それとも汚染されたコケ?たしかに、それが原因だったら納得できます・・・
ピーターは考え続け、ハイキングが原因であるはずはないと思いました。「あれは人気のルートだ。同じルートを通った人はたくさんいるはず。ハイキングが原因だったら、ほかにも同じような症状が出ている人がいるに違いない。」ピーターは、ハイキングは原因ではないだろうと結論付けましたが、それでは何が原因なのでしょう?何かあるはずです。
普段と違うことはなかなか思い付きませんでした。ピーターは平凡な男性で、たまにハイキングをしたり、近所のカフェに行ったりするほかに、大したことはあまりしないのです。仕事も自宅でしていますから、外出することも多くありません。彼はとてもつまらない人間でした。しかしその時、彼はふと思い付きました。「もう1つだけ、いつもと違うことをしたぞ。」
前日の夜にデートに出かけたことを思い出しました。その女性としばらくネット上でチャットして、ようやくデートに行くことになったのです。ピーターは恋愛に再挑戦することにとてもワクワクしていました。運命の人にまだ出会っていなかったので、デートがうまくいくことを期待していたのです。しかし、事態は思わぬ方向へ進んで行きました・・・
デートが始まった瞬間から、ピーターはその女性について「何かがおかしい」と感じていました。彼女は彼にまったく興味を示さないのです。「僕を軽蔑しているのではないか」とさえ思うほどでしたが、ピーターがそう思い始めるとすぐに、彼女は彼に気があるような態度を示します。とても奇妙なデートでしたが、ほかにも何か気になることがありました。
今思えば、そもそも彼女がなぜピーターに連絡してきたのかよく分かりませんでした。彼女とのメッセージを読み返してみると、彼女が彼のことを本当は好きではなかったことがはっきりしてきました。ただ、ピーターは少し必死になっていて、はっきり考えていなかったのです。彼女はこのことと何か関係があるのでしょうか?
ピーターは、彼女がこのことと関係があるとは思えませんでした。肉体関係を持ったわけではなかったからです。ピーターは昨晩から彼女に連絡を取っておらず、彼女からもメッセージは届きませんでした。もし彼女が何かしたのなら、何か言ってくるはずです。結局、症状の原因は分かりませんでしたが、病院に行く時間です。出かけなければなりません。
病院に足を向けたピーターは、親指に何が起こっているのか見当もつきませんでした。車の中でも考え続けましたが、思い当たることは何もありませんでした。幸い、親指の穴はあまり変わっていないようです。さっきと比べて穴は少し大きくなっていて、明らかに何かがおかしいですが、大したことはなさそうです。少なくとも、ピーターはそう願いました。
病院に到着したピーターは、「ほかに何か思い当たることはないだろうか」と車内で考え込みます。しかし、考えられることはほかに何もありませんでした。落ち着こうと深呼吸してから、ピーターは診療所に入りました。診察を受けるのに長時間待たされると思ったのですが、実際はそうではありませんでした。
待合室でピーターはとんでもないほど注目されてしまいました。この時点で、彼の親指に穴が開いていることは遠くからでも分かるほどになっており、周りの人たちはそれを見てショックを受けたのです。ピーターはそのことにしばらく気付きませんでしたが、ほかの人たちは好奇心を隠せなくなっていきました。
診療所にいたほかの患者さんたちは、好奇心を隠そうとしませんでした。そこにいた子どもたちはピーターの親指を見に行こうとしましたが、親が引き留めました。しかし、やはりみんなが気になっていたのでしょう。自分が何のために病院に来たか忘れたかのように、だれもがピーターの親指のことを知りたがりました。もちろん、ピーターも同感です。
そのとき、医者が次の患者を呼びに出てきました。待合室にいた人たち全員が口をそろえて「まずはピーターを診てあげてください」と言いました。彼らの症状はあまり深刻なものではなく、一方、ピーターは明らかに深刻だったからです。ピーターは少し気が引けました。心配ですが、少しくらい待てると思ったのです。しかし、医者はそう思いませんでした。
診察室に入ってピーターの親指を診察した医者は、ショックを受けました。こんなもの、見たことがありません。見たことがあれば覚えているはずです。忘れようにも忘れられないような奇妙な光景でした。医学書でもこのような症例は読んだことがなく、医師はこれが何なのか全く分かりませんでした。
医師は、「診断には時間がかかりそうだ」と思いました。彼は、待合室の患者たちをほかの医者に回すように指示しました。医師の注意を一番必要としているのはピーターです。「これがどんな病気でも、必ず治療法を見つけよう」と医師は張り切っています。
医師は検査を行ったあと、結果を待ちながらピーターの親指を熱心に観察しました。不思議なことに、ピーターはさっきまで痛みを感じていたのに、痛みは引いていました。親指全体が完全に麻痺していたのです。医師が押しても痛くありません。これは悪い兆候です。
医者がピーターの親指を調べていたとき、最初の検査結果が出ました。しかし、医師はそれを見てガッカリします。検査で何も見つからなかったのです。ほかにも行える検査はいくつかありますが、そのためにはピーターの同意が必要でした。検査には時間がかかります。どうするのでしょう?
ピーターは検査に同意しました。その結果を待っている間、まだ何も手掛かりが見つかっていなかったので、医者はピーターの親指の写真を撮って医療掲示板に投稿しました。「ほかの医師がこのようなケースを見たことがあるのでは」と期待したのです。しばらくすると返事が来ました。
ピーターはちょっと息抜きがしたいと思い、トイレに行きました。その間に、掲示板からプライベートメッセージが届きます。医師は「これで謎が解決する」と期待し、メッセージを開きました。たしかに、医師の期待通りだったのですが、それは本当に恐ろしい知らせで、状況は一変してしまいました。
同じ症状を見たことがある医師がいたようです。メッセージには、「今すぐ対応しなければ、ピーターを含む全員が大変なことになってしまいますよ」と書かれていました。医師はそのメッセージを何度も読み返し、「これが正しければ、今すぐ行動を起こさなければならない」と考えました。
ピーターの医師がメッセージを読み終わったところで、検査結果が届きました。ゾッとするような結果で、医師からのメッセージが正しいことが分かりました。ピーターの主治医は診察室を出て、状況は一変しました。
ピーターはトイレから戻ってきました。親指の状態は良くありません。穴は彼の手に広がり始めていました。この時点で彼はとても怖くなっていましたが、「医者に見せなければ」と考えました。ところが、ひとつだけ問題があります。ピーターがトイレから戻ってきたとき、先生は診察室にいなかったのです。どうすればいいのでしょう?
「どうしよう・・・」とピーターが考えていたとき、背後で物音が聞こえました。さっき入ってきたドアが外から鍵がかけられたのです!彼は診察室に閉じ込められてしまいました。さらに悪いことに、医者がほかの職員に「警察を呼んだよ」と話しているのが聞こえます。何が起きているのでしょうか?
ピーターはドア越しに説明を求めましたが、だれも答えてくれません。看護師も医者も必死に話し合っていて、ピーターの質問に答えてくれません。彼らは「警察が来るまで落ち着いていてください」としか言いませんでした。ピーターはその指示に納得します。